2007年11月24日土曜日

法律相談 [後編]

[注意]
本エントリは、私の主観に基づく、法律相談の記録です。
細部の省略や、プライバシーに関わる事項についてのご質問等については、お答えいたしかねることもあることをご了承ください。

ちょっと待たされる


予約時間に相談場所に行ったら、まだ前の人が相談中なのでしばらく待っているようにと言われた。待ち合い場所で待つ事にした。パンフレットや資料が置いてあったので、どのようなものが置いてあるのか見てみた。DVや家庭問題、離婚後の生活についての資料が多いようだ。妥当だろう。しかし、これらの深刻さから比べたら、私なぞ、予約を入れてよかったのだろうかと迷う。
待っている間に、相談したい事について、おさらいした。


相談と回答


弁護士さんは、若い女性の方だった。
用意してきた説明用メモを出し、口頭でも簡単な説明をした。
私の基本的な情報と現状について、いくつか質問された。生活状況と、収入状況、夫との連絡状況、離婚の意思と方策などだ。相談にくる方の中には、おびえて生活をせざるをえなかったり、収入が厳しい方もいるはずで、おそらくそのせいもあるのだろうと思われる。
私については、暴力があったわけでもなく(ニゲは金銭感覚が病気である以外は正常だった)、生活に困っておらず(実家に居候なのだから当然なのだが)、多くもないが少なくもない程度の給与所得があり、大変な事と言えば実家からだと通勤時間が長い事くらいなのだ。
また、ニゲについても質問された。しかし、いくつか答えようがないものがあった。ニゲは、年収も、負債の額も、確かな事を教えてくれることはなかったのだ。
協議離婚を拒否されているので、調停を申し立てようと思っている事と、かなり強く拒否しているので、裁判も考えに入れているということも話した。
さて、弁護士さんによると、「裁判でも離婚は認められる状況にあると思われる。」そうである。「あまりにも、金銭にルーズ過ぎる。」そうな。
裁判の場合には、協議や調停と違って、法律で定められた離婚理由が必要だ。いくつかある法定理由のなかの、「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるだろうとのこと。また、既に別居しているため、離婚が認められやすくなっていると指摘された。離婚が認められるための別居期間については、申し立てる地裁、担当判事によっても異なるそうだ。たまたまだが、私の申し立てる地裁は「比較的、破綻主義を取りやすい」傾向があるそうだ。過去、別居期間1年というケースがあったという。「裁判とするためには調停が必要で、裁判が始まる前に、1年程度は経過してしまうと思われる。それで十分であろう。」とのこと。
…なんと心強いアドバイス。最近の判決からのアドバイスは相談しなければ分からなかった。
別居期間は「地裁や判事による」のだ。どうりで、書籍やウェブには、別居期間について具体的にどの程度と書かれていないはずである。
借金の額の多寡といっても、収入との関係もあるので、いくらならとは言えない。
おそらく、「重大な事由」は、色々あり過ぎる上、状況に依存するため、紹介できないのであろう。
さて、弁護士さんは何やら楽しそうだった。やはり、私のケースは、相談に来る人の中では深刻度が低い方なのだろう。ちなみに、「置いてきたネコを引き取りたい」と「携帯電話を引き続き使いたいので、名義を変えてもらいたい」などという離婚条件を見たのは初めてだそうだ。両方とも置かれた状況が深刻な人は相談しそうもない事だと思った。
弁護士さんは「凄いですね」と言っていた。これまでの相談の中でも、まれに見るものがあったようだ。


離婚条件を固めるためには


この相談の結果から判断するに、以下のような事は考えておいた方が良いようだ。
別居期間
離婚と別居期間の関係は、地裁や判事によって異なるので、その辺りを知っている弁護士に相談すると良い。念のため、なるべく別居期間は長くとれるように工夫する。

借金夫の金銭感覚異常症
重いほど離婚を認められやすい。いかに重いかを、分かりやすく説明できると、なおよい。


また、離婚を切り出したときに、いつもの行動様式に起因する、以下のような言動があると思われる。覚えておいた方がいいと思うが(あとで役に立つかもしれない)、気にすることはないと思う(だって、いつもの事)。
  • 不可解なほどの楽観主義から、裁判で離婚が認められるはずがないと言う。

  • 自信過剰から、出て行けるはずがないと思っている。



行ってヨカッタ


すっきりとした。調停での、説明根拠ができたと思った。
さわやかな気分で、申し立てへの決意を固めたのでした。


[法律相談 完]

法律相談 [前編]

離婚に調停って少数派


協議離婚を拒否されたため、調停か裁判とせざるをえませんでした。しかし、世の大半は協議離婚であるためか、あまり調停に向いた資料が見当たりませんでした。とりあえず、調停専門の本をひとつ見つけ、買いました。
勝てる!?離婚調停—年金分割完全対応版/池内 ひろ美


調停に関する情報が主な書籍です。離婚に関する一般的な知識や情報には、他の本を買いました。離婚本で大きな扱いを受けているのは、親権や養育費、年金分割、離婚条件などが多いようです。子どもはいないし、年金は分割されるなら私の方が不利。一般的な離婚本を複雑な心境で買いました。


無料相談


女性会館の法律相談を予約し、離婚条件について相談をすることにしました。
ついでに、調停や裁判についての情報や知識についても、相談して糸口を見つけておこうと思いました。


資料作成


法律相談のために、資料を用意しました。用意したのは二つ。
説明用メモ
現状と経緯、離婚したい理由、希望する離婚条件をまとめたもの。A4に3枚。

金銭関係の資料
ニゲに用立てたお金の総額と一覧。詳細なので、弁護士さんに見せる気はなく、自分の手元用。

金銭関係の資料は、作っている途中で、悲しくなって何度か泣きました。「これだけのお金の余裕があれば、子どもを産めただろう」と。実は、金銭的余裕のなさから、産休のスキを見つけることも難しく、産み控えてしまっていたのです。それでも、ニゲの金銭感覚が正常だと思っていた頃は、なんとかスキを作ろうと努力をしていたのでした。


説明用メモの中身


現状と経緯

別居開始時期、現在の住居。婚姻期間と家族構成。
離婚の意思。私は離婚したいが、ニゲは拒否している。
私はニゲへの信頼を喪失している。発端は金銭的な問題から。

離婚したい理由

身の丈にあった生活をするという考え方が、全くない。
ニゲは、使いたい分稼げばよい(注:自営なので、売上目標と利益は自分の希望年収から割り出すことになる。)という。一方で、使った分稼げていないのに、それを問題だと思っていない。目標を下げるか、もっと利益が出るように工夫するか働くかすべきだろう。ニゲは自分の事を「結構稼いでいる」と言っていた。
私が融通する事も多かったのだが、それが問題だと思っていない。その分、赤字だという事なのに。しかも、返済する気配はきわめて薄い。
会社を法人にしてから一度も税務申告をしていない。当然、納税していない。健康保険や年金を払っていない。
家計の分担で、ニゲが払う事になっていた家賃を大滞納していた。しかも、私が家賃の安いところへ引っ越そうと相談したら、拒否した。

希望する離婚条件

貸したお金を回収したいが、どうしたものか。
私の両親から借りた分を、踏み倒しそうな勢いである。
ニゲと私の車、2台分のローンを私は払っている。ニゲの車の分を払って欲しい。
年金は分割したくありません。
ニゲの会社の役員になっていたけど、辞任したい。
ネコを引き取りたい。別居の際に、半分だけ連れてきました。でも、残してきたネコも引き取りたい。
私の使っている携帯電話の名義を私にして欲しい。仕事関係でも使っているので、番号を変えたくない。

2007年11月4日日曜日

家賃を大滞納 [後編]

[注意]
本エントリは、私の主観に基づく、別居開始までの記録です。
細部の省略や、プライバシーに関わる事項についてのご質問等については、お答えいたしかねることもあることをご了承ください。

夕方の不動産屋さん


ニゲと不動産屋さんに出向く予定の日、仕事はまだ忙しかった。しかし、無理を言って、定時より早く退出させてもらった。

ニゲが途中で渋滞に引っかかり、予定より少し遅れて不動産屋さんに到着した。

不動産屋さんのオフィスで、ニゲは、申し訳ないが資金繰りの都合上、再来月末まで支払いはできないという説明をした。不動産屋さんも、額は大きいものの、大家さんが滞納に気付くまで間がありすぎることから、説得はしてみると言ってくれた。ただし、滞納分の支払いは一括にすることと、今後の滞納には厳しい対処がありえるとのことだった。いずれも、仕方がないとしか言えないことだった。

ついでに、ニゲは不動産屋さんに指摘を受けた。以前に話した時から感じていたことだがと前置きをした上で、「不誠実としかとれない態度が多い」、「横柄」だと。
私には、不動産屋さんがそう思うような態度をとる状況に、心当たりがあった。ニゲは支払いできていないと自分で分かっている時、非常にむすっとした態度をとることがあるのだ。その、開き直り直前のような態度は、決していい印象を与えない。
以前に不動産屋さんとやり取りをしたときにそのような態度であったということは、その時、既に滞納を自覚していたと考えられる。

如何に状況の把握が鈍かったからとはいえ、あまりの滞納率の高さに、大家さん側からは債権放棄も話に出た。そしたら、ニゲは即対処をしたのだ。
ニゲにとって支払いとは、厳しい催促や圧力があって始めてなされるもののようだ。

ニゲにとって支払いとはなんであろうと思い、ローンを返済しながら遠方で暮らす大家さんのことを考えた。大家さんは、家賃を繰り上げ返済の資金にしようと思っていたのではなかろうかと。子どももいるのだろうに…とも。

別居開始1週間前


肝心の支払いは、結局、15万円ほど足りなかった。私は見切り千両だと思って補填した。ニゲは自分が払ったのだと思っただろう。一旦、財布に入ってしまえば、自分のお金も、他の人のお金も区別がつかないのだから。

私が実家へ引っ越したのは、滞納家賃を支払った次の月の初旬だった。

家賃を大滞納 [前編]

[注意]
本エントリは、私の主観に基づく、別居開始までの記録です。
細部の省略や、プライバシーに関わる事項についてのご質問等については、お答えいたしかねることもあることをご了承ください。

赤字回避なら、不満は言うまい。


その頃、ニゲは遠方へ長期出張中で、3〜4週間ごとに1週間ほど帰宅するという状態だった。私は、仕事が忙しい時期で、残業と休出が続いていた。ちょうど雑草が生い茂り始める時期だったが、草取りをする余裕など無く、狭い庭は丈の高い雑草に覆われていた。
ニゲの不在が続くこと自体には、問題を感じていなかった。何よりも確実な収入が求められている状態だったため、ちゃんとやっていけるというのなら、仕方が無いと考えていた。

この頃の家賃は、その前に借りていたところの3割増だった。下見のとき、ニゲに支払いが厳しくなることを指摘した。ニゲの答えは、「ここに住みたい。家賃は自分が払うのだから、認めて欲しい。」だった。強く主張するニゲに、そこまで言うならと思い、契約を認めたのだった。

固定費払えないって、重症。


ある日、帰宅すると、不動産屋さんの名刺がドアに挟まっていた。名刺の裏に「連絡をください」と書いてあった。既に夜も更けていが、ニゲに電話をした。「不動産屋さんの名刺が置いてあって、連絡をください。」とあったから、明日、昼に連絡するようにと。

次の日、実家に電話した。母に、ニゲがあちこちから借金していることや、口先だけで返済はしていないことを話した。母は、私を励まし、また電話するようにといってくれた。

夕方、夕食を作ろうと支度をはじめた。すると、チャイムが鳴った。訪問の予定は無い。インターホンをとると、不動産屋さんだった。
ニゲは不動産屋さんと連絡を取っていないそうだ。また、不動産屋さんが携帯電話にかけても、出ないと言う。
とりあえず、私は不動産屋さんにニゲが出張中であることを話し、話を聞くことにした。
不動産屋さんによると、確認できているだけでも家賃を13ヶ月分滞納しているという。大家さんは転勤族で、このときかなり離れた地方に住んでいた。家賃の振込先がこちらの地銀だったため、記帳の機会がなかなか無く、発覚が遅れたのだ。
不動産屋さんは、私が滞納について一切知らなかったため、今回の件が悪質なーー家族ぐるみで、滞納を踏み倒そうとするようなーーものではないと判断すると言ってくれた。そして、ニゲと話し合う機会を持ってもよいと提案してくれた。明日やあさってには無理なので、ニゲが帰宅したらすぐに不動産屋に出向くことになった。

不動産屋さんが帰ったあと、実家に電話した。まだ父は帰宅しておらず、母が電話に出た。電話を切ってから何時間とたってないというのに、このような運びになるとは、なんというタイミングであろうか。運命が、離婚を決意し始めた私の背中を押してくれているようだ。本来なら動揺していてしかるべきなのだが、好機到来を感知した私の頭は、いかにして母に離婚も已む無しと思わせるかに集中していた。一通り話し、何かあったらまた連絡するということになった。とりあえず、母の考えを傾けることはできたようだった。

不動産屋さんに出向くことに


その後、ニゲに電話をした。不動産屋さんが来たことを話し、ニゲが帰ってきたらすぐに不動産屋さんに行くことにした。その電話でのニゲの態度は私を苛立たせたが、これ以上の問題回避は百害あって一利なしだと主張し、不動産屋さんに行く日を決めたのだった。
なお、ニゲはその程度の滞納があると気付いていた。私が13ヶ月の滞納について問い質すと、「そのくらいの滞納はありえると思う。」とするっと答えたのだ。

翌日、不動産屋さんに予定を伝え、少し先になってしまうがその日にお願いしますと言って電話を切ったのだった。
あとは、当日、ニゲが不動産屋に出向くのを願うばかりだった。